[あらすじ] 魔法少女まどか☆マギカ the different story (ネタバレ含む)

魔法少女まどか☆マギカのスピンオフ漫画作品「魔法少女まどか マギカ~ the different story~」の概要と、ストーリーのあらすじをまとめています。ネタバレを含みますので、閲覧にはご注意を。

概要

本作品はハノカゲによるスピンオフ漫画。上・中・下の3巻構成。BD/DVD第5巻の購入特典であるドラマCD「フェアウェル・ストーリー」を元にハノカゲが脚色を施した作品。
物語は巴マミが鹿目まどかや美樹さやかと出会う以前、杏子と出会い、共に戦っていた頃から始まり、本編第3話でマミが生存したという設定でストーリーが展開されている。
作画もアニメ版に準拠している。また、巴マミ・佐倉杏子視点で描かれているのも特徴となる。

あらすじ (簡易版)

一人孤独な戦いを続けていた巴マミは、ある日、隣町の風見野からやってきた佐倉杏子に出会う。この頃の杏子は魔法少女になったばかりであり、マミに弟子入りを志願することに。その後二人は共に魔女討伐を続けていたが、杏子は父親に魔法少女であることが発覚してしまい、それをきっかけに彼女の家庭は崩壊する。自身も幻惑魔法を使えなくなり、考えを改めた杏子はマミの元を去ることになる。


再び一人で戦うことになったマミであったが、しばらくしてまどか達に出会う。ある夜、まどかから助けを求められたマミは、美樹さやかと杏子が争っている場面に遭遇する。風見野から見滝原に戻ってきた杏子は、共に戦っていた頃とは変わってしまっていた。

後日、さやかは親友の仁美が魔女に魅入られている所を街中で見かけるが、恭介との三角関係に悩んでいたさやかは仁美を見捨ててしまう。その後悔から、その後の魔女との戦いでマミを苦戦させてしまい、責任を感じたさやかも杏子と同じようにマミの元を去って行ってしまう。

上巻 (第1話~第4話) のあらすじ


Amazonで商品を確認する

魔法少女まどか☆マギカ ~The different story~ (上)
(まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)
(著) ハノカゲ (企画・原案) Magica Quartet
発売日:2012/10/12
定価:¥710
上巻は全4話収録。なお各話に副題は存在しない。

第1話

魔女と対峙する姉妹の魔法少女に加勢した巴マミだったが、劣勢になると二人は戦闘から離脱した。それとは対称的に、マミは街の人々を守るためにと退かず、かろうじて魔女を討ち取ることに成功する。二人の魔法少女にも手に入れたグリーフシードを分け与えようとするマミではあったが 「それはあなたの手柄なんだから他の人に譲る必要ないんだよ?」と拒まれてしまう。長い間、孤独に戦っていたマミは、二人の「魔法少女同士はみんなライバルみたいなものだから」との言葉に口を噤む。

それから一年。マミは変わらず魔女と戦い続けていた。学校の友人たちの誘いすら断らなければいけないことに後ろ髪を引かれつつも、街中で、魔女と戦っている佐倉杏子を目撃する。初めは様子を見ていたマミであったが、杏子が倒されそうになるとこれに加勢し、二人で魔女を撃破する。

戦いの後、二人は互いに言葉を交わし、杏子は自分が隣町の風見野市の魔法少女であること、さきほど倒した魔女は自分が魔法少女となって戦った相手であり、それを追って見滝原まで来てしまった旨を伝えた。杏子を自宅に招き入れたマミは、杏子から自分を弟子にしてほしいと申し出を受けることになる。


第2話

ずっと孤独を抱えていたマミにとって、杏子の申し出はまたと無いものであった。そうしてマミと杏子は共に魔女と戦うようになっていく。順調に討伐を繰り返していた二人であったが、ある日、杏子はマミにいつ頃魔法少女になったのか、人々を助けるためにそこまで奮闘できる理由は何かと尋ねる。少し考え込んだマミであったが、自分の過去を打ち明け始める。

自分は「命を繋ぐ」契約を行い、一家で交通事故に巻き込まれた際、自分だけが助かったこと。自分と同じように悲しむ人が一人でも減るように戦い続けるべきだと考えるようになったこと。そして、そんな自分の戦い方を認めてくれた杏子に感謝していること。


マミの話を聞いた杏子は、風見野の自宅へ杏子を招待する。教会で牧師をしている父、そして妹と母親に囲まれた暖かい家庭がそこにはあった。皆で食卓を囲っていると、杏子の父は自身の境遇を語り出す。自分の説法をなかなか受け入れても得ない不遇な日々を送っており、家族に辛い思いをさせてきたが、ある日を境に、自分の話を聞いてくれる人が現れ出し、大勢の人が集まってくるようになり、今では幸せな生活を送れている―と。

マミは杏子に対し、魔法少女になった理由を尋ねる。案の定、杏子は「父の話を皆が聞いてくれるように」との願いで契約を行っていた。「他人の願いを叶えるのって、そんなにおかしい事?」杏子の尋ねに、マミはそんなことは無いと否定しつつも、自分を犠牲にして戦うことが、対価として釣り合うのかと答える。対して杏子は「父親を幸せにすることがでみんなが幸せになる。みんなの幸せを守る、それがあたしの願いなんだ」と笑い、これからも共に戦うことを誓い合う。

巴マミは初めて出会った理想の仲間に、満たされた日々を過ごしていた。そんなある日、眠っていた杏子のもとにキュゥべえが現れ、大変なことが起きていると告げる。急いで教会に向かうと、多くの信者たちが魔女の結界に引き込まれており、教会に火を放って集団自殺を試みていた。杏子はこの魔女を撃退するが、そこに残ったのは無惨に倒れた人々の姿であった。その時、教会に父が父が現れ、その様子と魔法少女としての杏子を目撃してしまう。



第3話

後日、杏子はマミの部屋に呼ばれていた。近頃顔色が優れないみたいだけどとの問いかけに、先日の事件のことを遠回しに語り、魔女の存在を知らない人たちに、事情を理解させることは難しいと悩みを打ち明ける。自分たちが取りつかれた人たちの命を救ったとして、それは必ずしも喜ばれる結果に結びつかないのではないのか、結局みんなが嫌な思いをするなら、最初から人助けなんてするべきではなかったのではないか―


杏子の父は酒に溺れ、自暴自棄に陥っていく。自分の言葉に人々が集まっていたのではなく、杏子の生み出した幻によって惹きつけられただけということを知った父は、杏子の言葉に耳を貸さず、終いには、杏子のことを「魔女」であると罵るようになっていく。

マミは杏子のことを案じていた。自分の考え方(*他人のために戦うこと)はそんなにおかしいことなのか、自問しながらも、杏子はマミの前に現れることは無かった。

その後しばらくして、マミは佐倉家の一家心中のニュースを耳にする。その頃、杏子は絶望の中にいた。奇跡の力に頼った自分を蔑み、家族を崩壊させ、本当に大事だったものを何一つ守れなかったこんな力はもういらないと。

それでも杏子はしばらくぶりに魔女と戦うことになる。しかし魔法が思うように使えなくなっていた。瀕死の重傷を負いながらもなんとか魔女を倒すが、キュゥべえから自身の願いが生み出した能力は「幻惑」であり、自らの願いを潜在意識で拒絶していることを告げられる。

全部自業自得だ―

倒れている杏子をマミが見つけ、介抱する。

「・・・・・・ぜんぶ・・・全部あたしのせいなんだ・・・・・・あたしが、みんなを死なせちゃったんだ」杏子は自身を責めていた。


第4話

もう一人で無茶はしないで、これからもまた一緒に頑張ろうと励ましたマミだったが、しばらくしてその思いは拒まれることになる。

これからはグリーフシードを落とさない使い魔は倒さず、魔女だけに絞って倒す―
「あたしは決めたんだよ もう二度と誰かの幸せのためだとか 他人の命を救うためだとか そんな理由で魔法は使わない」


自分の元を去っていこうとする杏子を引き留めるマミであったが、杏子の意志は固く、二人はぶつかり合ってしまう。しかし手練れのマミであっても覚悟を決めた杏子を止めることは出来ず、杏子は風見野へ戻っていってしまう。

「今まで世話になったね 佐倉さん―」


また孤独になってしまったマミであったが、しばらくしてまどか達と出会い、行動を共にするようになっていた。ある日、部屋で寝ていたマミはまどかに急に呼びかけられ、さやかが大変な状況にあると告げられる。急いで駆け付けると、さやかは杏子と対峙していた。


「お久しぶりね その子は私の大事な後輩なの 妙なこと吹き込むのはやめて貰えるかしら 佐倉さん」
「・・・なぁんだ てっきりくたばったもんかと思ってたよ マミ先輩?」
マミを慕い、日々共に戦っていた頃とは雰囲気もすっかり変わってしまっていた。


中巻 (第5話~第8話) のあらすじ


Amazonで商品を確認する

魔法少女まどか☆マギカ ~The different story~ (中)
(まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)
(著) ハノカゲ (企画・原案) Magica Quartet
発売日:2012/10/19
定価:¥710

第5話

巴マミはまどか、さやかの良き先輩として共に魔女と戦っていた。(*この時点でまどかは契約しておらず、さやかだけが魔法少女となっている) いつものように魔女を討伐していると、明美ほむらが3人の前に現れる、ほむらはまどかを魔法少女にはさせたくないような素振りを見せるが、マミには理解されず、さらにキュゥべえからほむらと杏子が最近になって組んだことを聞いていたマミは不信感を募らせる。そして目的こそ定かではないが、再び見滝原に現れた杏子は、マミと戦っていたころの優しい面影はなく、利己的で粗暴な態度をとる少女へと変わってしまっていた。

マミの自宅に招かれたまどかは、魔法少女同士助け合うことはできないのか、ほむら達を仲間として迎えいれたいとを告げるも、ほむらのことを信用しきれないうちは安易に組むことはできないと答える。やはり自分も魔法少女に・・・と焦りを見せるまどかであったが、急がずに良く考えるように忠告される。 一方さやかは、利己的な戦いを行う杏子とは馴れ合いたくないと語る。その様子をマミは寂しそうな顔を浮かべながら聞いていた

「今は鹿目さんと美樹さんが居てくれれば・・・私はそれでいい―」


ある夜、まどかはクラスメイトの仁美が魔女に魅入られてしまったところを見つけ、マミに応援を求める。ほどなく魔女を打ち倒し仁美は助かったが、そこに杏子が現れる。しばらく姿を見せていなかったが、やはり以前の杏子はそこにおらず、まどかとマミを挑発するような言動を取る。しかし軽くあしらわれてしまった杏子は憤りを隠さなかった。

そして杏子はワルプルギスの夜を倒すため、ほむらと行動をともにすることになる。


翌朝、通学の途中でさやかは、昨夜仁美が魔女に魅入られてしまったことをまどかから聞かされることになる。


第6話

何か思いつめた様子のさやかは、魔女との戦闘において戦いに集中できず、結果としてマミを危険に晒してしまうことになる。突如現れたほむらと杏子の助力もあり、窮地を脱したものの、さやかは自分を責めることになる。

後日、久しぶりに杏子とマミは、昔よく待ち合わせをしていた場所で再会していた。マミは気づいていた。本当は杏子が家族のことだけが原因でマミの元を去ったのではなく、魔法が使えなくなってしまったことも関係していたのだということに。

もう一度組まないかと提案するマミであったが、杏子は尋ねる。
なぜさやかを魔法少女にさせてしまったのか。他人のために願った自分がどうなったか知っていたはずなのに―。

結局意見は平行線を辿り、もの別れとなってしまう。

それから数日が経ったが、さやかは変わらず気を落としたままでいた。突如現れた杏子はさやかに対し、マミと組むのは止めるよう忠告する。対してさやかは杏子たちのことを、利益のために平気で街の人を見捨てるような奴らだと言い返すも、今の自分にそれを非難する資格なんてないのだと告げて立ち去ってしまう。

強く言い返してくるだろうと思っていた杏子は、その様子に違和感を覚える。


後日、さやかはマミにコンビの解消を申し出る。いきなりのことにマミは困惑するが、さやかは続ける―以前マミが助けた仁美が、魔女に魅入られていたことを知っていたのだと。



第7話

さやかはマミにありのままを話す。
ある日、さやかは親友の仁美から、自分が想いを寄せていた上条恭介に、仁美も同様に想いを寄せていたこと、そして自分は恭介に翌日告白するつもりであること、恭介への想いを知っているからこそ、1日だけさやかを待つと告げられたこと。

魔法少女としてみんなを救うのが使命であり、それ以外のことに時間を割くことはできないと、想いを断ち切ったはずではあったものの、マミが仁美を助けたまさにその日、魔女に魅入られて街中を彷徨う仁美を見かけたが、声を掛けることはしなかった―と。


一通り話を聞き終えたマミは、さやかを責めたりせずにフォローした。しかし、それはさやかの求めていたものとは正反対のものであった。

優しくされても自分には返すものがない。たとえどんな事情があっても魔女からみんなを守るのが魔法少女なのに、その覚悟もなかったことに気づいた―
そう口にしたさやかは、まどかのことを頼むと告げてマミの元から離れていった。


数日後、学校の屋上にいたまどかとさやかのもとに突如恭介が現れる。
入院中のお見舞いのお返しにとプレゼントを渡そうとしてきたが、さやかはこれを拒んでしまう。その様子をみたまどかはさやかの制止にも怯まず、たまらず恭介に告げてしまう。
「上条くん、聞いてほしいことがあるの」
「あなたの指が元に戻った時、どうして急に治ったか不思議に思わなかった?」
「上条君の腕をなおしたの・・・さやかちゃんなんだよ」


突然のまどかの行動に、困惑しつつもさやかは覚悟を決める。
「・・・・・・わかった。あたしが隠してきたこと全部話すよ。その代わり一日だけ時間ちょうだい」
そして続けた
「なんだかいつものまどからしくないね。・・・ううん。あたしのためにありがとね、まどか」
それは精一杯の強がりでだった。

****注釈/解説*******
ここまではアニメ版のストーリーにほぼ沿っている形で話が展開されてきたが、まどかが恭介にさやかのことをバラしてしまうことで展開が変化する。
さやかは自分が仁美を見捨ててしまったことを恭介にだけは絶対に知られたくないと思っていたが、まどかの突然の行動に、話さざるを得ない状況になってしまう。



第8話

杏子は、つまらない意地を張ってマミと対立してしまったことに後悔していた。本当は気づいていた。自分の時とさやかでは違うのだということに。

そんな想いから、無駄に魔力を消費し、魔女も使い魔も関係なく、ただやり場のない感情をぶつけるように戦っていたさやかを放っておこくはできなかった。

杏子は自分の境遇やマミと組んでいた頃のことを聞かせて忠告するが、自暴自棄に陥ったさやかにはもう何も届くことはない。その直後、さやかは魔力が尽きながらも一人で魔女を相手にしていたが、間一髪のところでマミが助けに入る。

恭介に本当のことを伝えに、一緒にみんなのところに帰ろうと手を差し伸べるマミだったが、さやかはこれを拒む。自分が最低な人間であることを大切な人に知られたくない、だからといって自分に都合のいいような部分しか伝えないようなずるいこともできない、だけれどもどちらかを選ばなくてはいけないくらいなら逃げてしまいたい―。


マミはやさしく諭す。
言いたくないことなら黙っていればいい。自分もずっとそうしてきたのだから。正義のために戦う真面目な先輩を演じていたけど、それは自分自身が騙してきたこと。本当の自分はただ誰かと一緒にいたかっただけで、ずっと嫌われるのが怖くていつもいい顔をしていただけなの―。

「お願い美樹さん。あなたのためでも他の誰かのためでもなくて、私のために一緒にいて。あなたが自分を許すつもりがないなら、私だって正義の味方なんてやめてやる、だから・・・私の前からいなくならないで」

マミの必死の告白に、さやかは応じる
「嬉しいんだ。こんなあたしを必要としてくれて」
「ありがとうマミさん」

ようやく分かち合えたと思ったそのとき、さやかは魔女へと変貌してしまう。

なんとか魔女の結界から抜け出したマミの前にいたのはキュゥべえであった。すべてを知ったような口ぶりをするキュゥべえに対し、マミは問いただす。さやかはどうして魔女になったのか―と。

キュゥべえは淡々と答える。
「訊くまでもなく理解しているんだろう?美樹さやかを魔女にしたのは、明美ほむら、佐倉杏子、巴マミ、君達じゃないか?」

***注釈・解説************
アニメ版ではマミがお菓子の魔女に喰い殺されるが、本作ではマミの生存ルートで物語が進行する



下巻 (第9話~第12話) のあらすじ


Amazonで商品を確認する


魔法少女まどか☆マギカ ~The different story~ (下)
(まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)
(著) ハノカゲ (企画・原案) Magica Quartet
発売日:2012/11/12
定価:¥710

第9話

マミは土砂降りの中、一人立ち尽くしていた。そこにまどかが現れてさやかが見つかったかどうかを尋ねる。しかし本当のことを告げることのできないマミは、とりあえずその場を誤魔化すことにする。

本当にごめんね・・・鹿目さん。私が守るって約束したのに―


そのころ、杏子はほむらから魔法少女の末路について聞かされていた。魔法少女が魔力を使い果たし、ソウルジェム、つまり契約者の魂から作られた宝石の穢れが限界を超えると、グリーフシードに変化して魔女となる―

さやかとマミの元へ向かおうとする杏子にほむらは忠告する。巴マミに殺されてもいいのかと。当然理解が追い付かない杏子にほむらは続ける。マミは魔法少女の真実に耐えられるほど強くない。今頃真実に絶望して絶望しているか―
それでも自分の目で確かめないと気が済まないと、杏子はほむらの制止も聞かず、マミの元へ向かう。

そこにいたマミは以前とは変わってしまっていた。
「そこの魔女と一緒に私も死ぬんだから」
魔法少女の末路を知ったことで絶望し、死に急ぐマミを杏子は説得を試みるも、話し合いでは解決せず、再び戦闘になってしまう。

「さやかの所に行きたけりゃ、あたしをぶっ倒していきな」


第10話

杏子の心配をよそに、魔力を温存することもなく、全力で攻撃をしかけるマミ。苦戦はするものの次第に追い詰めていく。
「アイツを基に戻す方法だってあるかもしれないのに簡単に諦めちまっていいのかよ?」
「だいたいさやかが魔女になったのだって、アンタのせいじゃなくて・・・」

必死に諭そうとする杏子に対し、皮肉交じりに答える
「だったら全部佐倉さんのせいね」
「あなたが戻ってきたから大切な仲間がバラバラになっちゃったの」
「どうして私の邪魔ばかりしたの」
「・・・ほら、最低でしょ、こんな私」

その時、一瞬の隙を突き、マミは杏子を拘束してしまう。
「・・・それで?どうすんの。とどめ刺すの?」杏子はすべてを覚悟していた。

きっと何度も傷つけてきたんだと思う― だからアンタがあたしに恨みを抱くのも無理ないことだし―今のあたしは自業自得の結果なんだって思うのさ―
「・・・ただ謝りたかっただけさ」「ごめんマミさん」「・・・いいよ撃ちなよ」

マミの銃弾は杏子のソウルジェムを撃ち抜く。そして魔女となってしまったさやかのもとへ向かう。一緒に死ぬために―。

しかしマミは途中で力尽き倒れてしまう。限界まで穢れきったソウルジェムを見て、マミは魔女になってしまうことを覚悟する。過去を振り返りながら、絶望していくマミだった―が、そこに先ほど自分が殺したはずの杏子が立っていた


第11話

わずかながら能力が戻っていた杏子は、戦いの最中、幻惑魔法を使用していた。

寄り添ってきた杏子に、マミは横たわりながらも反省会と称し、語り始める。

「私はね、ずっとあなたとお友達になりたいと思っていたの」
杏子にとってはただの先輩でしかなかったようだ、先輩としての立場ではなく、友達のように仲良くなりたかった―しかし自分には歩みよる勇気が無かった―
「あの時の私に勇気があればこんな争いもせずに済んだんじゃないかって・・・反省してる」

マミは続ける。
「幻惑魔法でうまいこと騙せたと思ってた?残念だけど偽物だって解ってたわ」
困惑する杏子に、新人のさやかであってもさきほどの戦いくらいはできると告げ、さらに続ける、

「どんな強いものにだって弱点はかならずあるものよ。だからこそ私たちは独りぼっちじゃ駄目だったよの」「足手まといだから一緒にいたらいけないとか、一人でカッコよくならなくちゃとか・・・見せかけの強がりで幸せを逃しては駄目よ」

一通り話を終えたマミは杏子にトドメを刺してほしいと頼む。
「もういいの・・・お願いだから死なせてよ!何も救えない私なんて生きている意味がなんだから!」

泣きながら必死に訴えるマミに杏子は答える
「救われてるヤツならここにいるんだよ!」「だってアンタは、あたしにとっての巴マミってヤツは・・・」

「最後の・・・家族なんだ」

本当の家族とは違うけど―本当の姉みたいに優しくしてくれた人がいる―だからあたしは独りぼっちになったわけじゃないんだって―
「アンタがあたしにしてくれた沢山の当たり前が、あたしに強さと希望をくれた」「アンタが今の今までいきててくれたこと」「そいつにあたしの命は繋ぎ止められたんだ」

杏子は隠し持っていた最後のグリーフシードを取出し、マミのソウルジェムの穢れを移す。そして、自分の髪を縛っていたリボンをマミに託し、さやかの元へ向かう。


今回はあたしの負けでいいからさ―無事に帰ってこれたらあの時みたいにまた手合せしてよ―それでさ・・・今度こそあたしが勝ったときは、改めてアンタにお願いしたいことがあるんだ―

マミが目を覚ますと、そこは自分の家だった。そして部屋にいたまどか、ほむらから丸一日眠っていたことを聞かされる。まどかの手前、ほむらは多くを語らず、一旦まどかを帰宅させることにする

「私に協力してほしいの、巴マミ」とほむらは語り出す


第12話 (最終話)

ワルプルギスの夜との戦いに協力してほしいとの申し出に、マミはこれまでの杏子の行動にようやく理解が及んだが、ここでほむらに尋ねる。さやかと杏子はどうなったのか知らないのかと。杏子の行方も知らず、さやかの結界も見ていないほむらには答えることができなかったが、推測と付け加えた上で、マミに聞き返す。
「あなたは本当にソウルジェムを浄化されたの?」

唐突な質問に、浄化した場面を目撃していたマミは困惑するが、ほむらは付け加える。
「それが幻惑魔法の可能性はないの?」

そこにすべてを見ていたキュゥべえが現れ、真相を語る。
美樹さやかも佐倉杏子も既に脱落している―と。

杏子は、自分のために残しておいたグリーフシードを、マミのソウルジェムの浄化に使ってしまい、マミとの戦闘で消耗していた杏子の魔力は底をつき、魔女との戦いで敗れていた。

「僕はただ君達の願いをかなえたに過ぎないよ。叶えた願いの対価を受け取る権利はあっていいはずだよ?」
「君こそどうして仲間の生き死ににそこまで拘るんだい?」
キュゥべえの残酷な言葉に、再びマミは自暴自棄に陥りそうになるも、ほむらがこれを制する。 自身の境遇を語りながら諭すほむらに落ち着きを取り戻すマミ。ほむら、キュゥべえが立ち去ったあと、部屋を訪れてきたのは鹿目まどかであった。

まどかは話があると、帰らずに待っていた。そして、杏子と友達になっていたことをマミとさやかに隠していたことを告げる。

まどかは、ほむら達に助けられた直後からたびたび杏子と会っていた。杏子とマミの関係や、自分たちのことを相談したりもしていたが、仲良くする勇気が持てず、これまで今まで言い出せなかったことをまどかは謝罪する。

そしてマミに語る。
「わたしはさやかちゃんのために・・・大切な友達のために魔法少女になりたい」
「さやかちゃんには助けてもらってばかりなわたしだったから、さやかちゃんが困っている時はわたしが支えてあげなくちゃいけなかった―それなのに、わたしは二人に遠慮して・・・どいこかよそよそしくて、さやかちゃんのことをマミさんに任せっきりで・・・―今更遅いって解ってるんです。だけど―」

黙って聞いていたマミは反対する。他人のために魔法少女になれば、いつかまどかも願いに裏切られる時がくるはずだと。そしてまどかまで失いたくないと答える。

しかし、返ってきたまどかの言葉は予想外のものであった。
「わたしはマミさんに普通の女の子に戻ってほしい」
まどかは続ける。
「おはようとか、お帰りなさいなんて言ってくれる家族がいないなかで、魔法少女を続けていくのがどんなに辛いことなんだろうって、時々考えちゃって・・・―だから今まで辛かったぶん、マミさんには普通のことをしてもらいたいんです―マミさんを魔法少女じゃなくす事はできなし、家族になることもできないけど・・・マミさんの代わりに戦うことはできるから」

まどかの申し出に、マミは涙を溢す
「・・・ないの・・・嫌なの・・・もう戦いたくなんかない!魔女なんて殺したくない!私は・・・っ」

ワルプルギスの夜と対峙するまどか、ほむら、そしてさやかの姿があった。
まどかはさやかのために魔法少女となり、マミは最期にいいつけを残し、自らのソウルジェムを砕いたのである。

ほむらは後悔した。マミに対し、境遇が似通っていたために迂闊に心を許してしまったことを。

みんなへ。まずは謝らなくちゃいけないよね。
力になれなくてごめんなさい。
魔女を殺せない私を許してほしい。
束の間の日々だったけどあなた達と出会えてよかった。
魔法少女なんて寂しくて辛いことばかりだと思っていたけど
あなた達のお蔭で寂しくなかった
時々ぶつかることもあったけど・・・今はそれでよかったと思ってる
だってこんなにも
私を思ってくれる子がいるんだって気付くことができたから
もしも願いが叶うのなら
魔女のいない世界で
みんなに会えたら良かったな

マミの回想をもって物語は幕を閉じる














UP
menu